おとがわプロジェクト 乙川リバーフロント地区まちづくり まちなか未来戦略フォーラム「私たちのQuruwa戦略」に参加しました

岡崎では2015年から2020年までの5ヵ年計画で乙川リバーフロント地区整備計画が行われています。人道橋の架設や中央緑道の再整備など、公共空間のハード面の整備が進められています。並行して「乙川リバーフロント地区まちづくりデザイン基本構想」をもとに、主要回遊動線「QURUWA(くるわ)」を中心に、エリアの再生を図るおとがわプロジェクトが動いています。これは街をどのように使いこなすか、ワークショップや社会実験を通してソフト面で様々な取り組みがなされています。リノベーションまちづくりという遊休不動産を活用したまちづくり事業では二七市通りに「wagamama house(ワガママハウス)」というお惣菜屋さんが生まれたり、殿橋の橋詰では「殿橋テラス」という社会実験が行われていたりと、街のいたるところで面白そうな変化の兆しがみえます。

2017年3月21日(火)の乙川リバーフロント地区まちづくり まちなか未来戦略フォーラム「私たちのQuruwa戦略」では、第1部で2月に行われたトレジャーハンティングの各エリアで提案された都市戦略の報告と、第2部で内田康宏市長、リノベーションまちづくりプロデューサー清水義次さん、かわまちづくりアドバイザー泉英明さん、そしてモデレーターとして、おとがわプロジェクトデザインコーディネーター藤村龍至さんによる、パネルディスカッションが行われました。パネルディスカッションの内容は文末にメモを記載しました。


パネルディスカッションの様子

おとがわプロジェクトの魅力

10月のリノベーションスクールに参加してから約半年間の間に、Quruwa Future Vision、まちづくりデザイン会議、エリア再生連続シンポジウム、トレジャーハンティングと関連するイベントにも参加してきました。自分でも不思議なくらいにこの「おとがわプロジェクト」に興味をひかれているのですが、キッカケは、今住んでいる自宅が子どもの成長と共に手狭になってきて引っ越す場所を探していた時に、東岡崎駅周辺が面白いことになりそうなポテンシャルを感じたことです。

at the table est 2015という不定期に営業しているレストランがいい例だと思うのですが、ランチに行ってみたらなんて素敵なお店なんだと思ったわけです。色々話を聞いていると、このお店は偶然ここにあるのではなくて、どうも街を面白くしようと仕掛けている人たちがいることを知りました。

もちろん東岡崎駅周辺のエリアからしたら小さな点かもしれませんが、その点がとてつもなく尖っててカッコイイ。この尖っててカッコイイということがとても重要だと思っています。衰退してしまったエリアの賑わいを取り戻すためには、どこにでもあるものではなくて、ここにしか無いものをいかに発明するか。前述したwagamama houseや殿橋テラスも、ここにしかないものを実現していると思っています。

プレイスメイキングとデータ

街の賑わいを取り戻すヒントとして、パネルディスカッションでも話題に上がっていた、公民連携やプレイスメキング等があると思うのですが、ただやればいいのではなくて1月に聞いたニューヨークのまちづくりのように、仮説をたててデータで検証するところまでやってほしいなと思いました。

プレイスメイキングの鉄則、Lighter(簡単に)、Quicker(早く)、Cheaper(安く)を調べていたら、ニューヨークのプレイスメイキングも行った、Project for Public SpacesのLQCを集めたピンタレストが出てきて、ここにピンされているような「何だこれは」「気になる」「行ってみたい」となるような社会実験が行われたらいいなと思います。それを実現する下地が今のおとがわプロジェクトには備わっていると思います。

パネルディスカッション

以下、パネルディスカッションで話された内容のメモです。様々なヒントが聞けたので、あまりまとめずに載せています。


藤村さん


泉さん


清水さん


内田市長


トレジャーハンティングの感想から

  • 内田市長:これまでは行政にたいして受け身のものが多かったが、今回のトレジャーハンティングでは、逆に市民の方から積極的な能動的な意見が出てきて驚いている
  • 泉さん:今は都市戦略とかマスタープランでは進まなくなってきている、作っても使われないということが起きている
  • 泉さん:Quruwa戦略は民間の投資を誘発するために、行政が投資していくという連動が高度なバランス感覚で行われていて画期的なものではないか
  • 泉さん:2年間の取り組みは使う側が意見を出して使って見る中で発見して、行政がインフラを投資するなり規制緩和をするなりして答えていくという、対話型の方法
  • 泉さん:あと3年対話型でやっていく可能性がみえてきたのではないか
  • 藤村さん:公と民の関係が変わってきている、イギリスやアメリカなどでは、公民連携(PPP)と呼ばれるような、公と民の関係を問いなおす議論がある
  • 藤村さん:投資と回収という民間企業では当たり前の考え方が行政にも必要になっている
  • 清水さん:岡崎の取り組みは、市民の参加というよりは、民間主導の行政参加
  • 清水さん:更新する都市戦略
  • 清水さん:公共投資は行政でないとできない、これも大事な役割
  • 清水さん:縮退化する中でも投資するべきところは投資するんだという考え方は大事
  • 清水さん:家守という民間が街を支えるということが江戸時代は当たり前だった
  • 清水さん:家守は江戸の街60万人の人口がいたところに、30人に一人がやっていた職業
  • 清水さん:江戸幕府の役人は250名から300人しかいなかった、それをカバーしていたのが、家守という民間人
  • 清水さん:公民連携について、先進的な取り組みをしている例として、岩手県の紫波町のおガールプレジェクトというものがある
  • 清水さん:紫波町のオガールプロジェクトでは、公民連携基本計画を打ち出した
  • 清水さん:紫波町のオガールプロジェクトでは、公民連携エリアの設定をした
  • 清水さん:紫波町の公民連携基本計画は、実現を目指す計画
  • 清水さん:古い中心(東岡崎駅)を再生させることと現在の中心(JR岡崎駅周辺)をどう繋げるかが、岡崎再生のテーマになるのではないか
  • 清水さん:額田のような豊かな山間エリアともどう繋げるかを、公民連携基本計画をまとめる作業が来年度あるのではないか
  • 藤村さん:岩手県の紫波町が全国的にもいち早く公民連携を取り入れた場所
  • 藤村さん:公民連携の仕組みは、アメリカやイギリスから来ていると話をしたが、清水さんのお話のように、もともと実は江戸の仕組み
  • 藤村さん:町人の自治機能が高くて家守が2万にもいた(30人に1人いた)、これにより江戸の60万人の人口を役人300人で管理することができた
  • 藤村さん:今の中心市街地、康生エリアは9800人の人口が減って6400人になったが、30人に一人ということは200人ぐらい家守みたいな人が出てくるイメージ
  • 内田市長:(公民連携について)仕組みを考えていきたい、橋や施設をつくることが目的ではなく、ソフト事業が一番大事だと思っている

名鉄東岡崎駅周辺とJR岡崎駅周辺の関係について

  • 藤村さん:戦後、戦災復興として一番はじめに投資がなされたのが、東岡崎駅周辺
  • 藤村さん:1960年代に東岡崎周辺に、道路や橋が作られたり、整備がされた、そのあと民間投資が入って、康生エリアにデパートができたりした
  • 藤村さん:民間の再開発として、岡崎は早い段階におこなわれたので、賑わいが作られた
  • 藤村さん:公共投資が、その後JR岡崎駅周辺に移っていく、民間投資もJR岡崎駅周辺に移っていく、人も流れていってしまった
  • 藤村さん:もう一度東岡崎駅周辺に投資をしようというのが、岡崎リバーフロント計画
  • 藤村さん:今が再投資するタイミングで、日本には街に再投資するという考え方がないので、焼畑農業のように街を作っていってしまうとうのが、これまでの都市計画
  • 藤村さん:額田との関係など、小さな経済を回していくことで、地域の産業を復興していく
  • 藤村さん:これは江戸時代にみんながやっていたことではないか

岡崎の集客ポイントと投資について

  • 清水さん:民間を中心とした街に投資をする方法として、プレイスメイキングという方法がある
  • 清水さん:プレイスメイキングとは、公園や広場、道を広場化したりする
  • 清水さん:プレイスメイキングは、今世界中の街で行われている
  • 清水さん:民間を中心に街を変えていく時に一番大事なのは、スピード
  • 清水さん:リブラの周辺の使われていない公共空間から使っていくべき
  • 清水さん:籠田公園周辺で今まで街になかったタイプのお店ができている、次はリブラの周辺を社会実験をしながら活用すべき
  • 清水さん:通りによっては、車がメイン、歩行者と自転車の通りなど、ストリートデザインを検討すべき
  • 清水さん:岡崎の自動車産業と連携して、自動運転のコミュニティ交通機関などはどうか
  • 泉さん:集客のポイントとしてはリブラが効果的ではないか、リブラはポテンシャルが高い
  • 泉さん:あわせて、河川空間を「おとがワ!ンダーランド」「殿橋テラス」など色んな使い方を試してきている
  • 泉さん:プレイスメイキングとは、空間を人の居場所にするという意味
  • 泉さん:プレイスメイキング鉄則の方法は、Lighter(簡単に)、Quicker(早く)、Cheaper(安く)
  • 泉さん:例えば、タイムズスクエア、数年間試して、交通が渋滞しないか、満足度が高いのか、売上がどうかわったのかなど社会実験を行った
  • 泉さん:パリのセーヌ川でも1ヶ月間ビーチにする「パリ・プラージュ」という社会実験が行われた
  • 泉さん:社会実験を簡単に早く安くする、周辺の人たちにもプラスになるということを確認して、合意形成は簡単ではないが得ていく
  • 泉さん:太陽の城跡地、川沿いの道路、橋詰めなどでプレイスメイキングをして、実際に事業者が儲かるのかなどをするとよい

太陽の城跡地について

  • 内田市長:太陽の跡地については、多目的なことができるシティホテルを誘致したい
  • 内田市長:岡崎にビジネスホテルはあるが、400人ぐらいのコンベンション施設を兼ね備えたシティホテルがない

六供町と板屋町について

  • 清水さん:六供町や板屋町エリアは路地が魅力的、なぜなら道が狭くて界隈性がある街だから
  • 清水さん:界隈性のある街がことごとく消えている、味気の無い街になっていしまっている
  • 清水さん:六供町は戦災で焼けなかった、歴史が残っている
  • 清水さん:六供町は貴重、活かす手を考えたほうがよい
  • 清水さん:六供町や板屋町は宝物のエリアということを今日覚えて帰って欲しい
  • 藤村さん:大きな投資と小さな投資という話がでていたが、六供町や板屋は小さな投資を呼び込める場所として大切にしたほうがよい
  • 藤村さん:小さな投資は商売を新しく始めようとする人で、小さな投資をする場所がなくなると、街は同じ人しか商売ができなくなる
  • 藤村さん:これが大都市の駅前などで起こっている、駅前が全部チェーン店となっている、新しいことを求めて街に集まってくる人にとって、どこに行っても同じ店になる
  • 藤村さん:六供町や板屋町のような小さな投資ができる、古いビルがあるエリアの方が、色んな人が出てきて、プレイヤーが適切に新陳代謝して活気が出る

籠田公園から中央緑道、人道橋の使い方のイメージについて

  • 清水さん:Quruwaのエリアが賑わうようになるように、そろそろ本気に考えないといけない段階かなと思っている
  • 清水さん:家守を200人~300人ほしい
  • 清水さん:(熱海でのリノベーションまちづくりの経験から)OKa-Bizとリベーションまちづくりの掛け合わせをしたらどうか
  • 泉さん:2年間、ワークショップや社会実験などをして顔が見えてきた
  • 泉さん:今年の秋などに、QuruwaエリアをジャックしてQuruwa全体で社会実験をしてはどうか

岡崎らしい使い方について

  • 清水さん:乙川は岡崎らしい、殿橋の4つの橋詰めを使い倒す
  • 泉さん:リバーフロント計画で岡崎市にしか無いと思うところは、人道橋
  • 泉さん:人道橋は、16メートルの非常に広い、プレイスメイキングの鉄則から言うと、広いところでは人間は落ち着かないので、守られている空間がそこに必要
  • 泉さん:プレイスメイキングが人道橋の上でおこなって、最低限の日よけと風よけの空間があって居心地のいい場所が作れれば、世界にもない場所になるのではないか

まとめ

  • 内田市長:橋とそれに続く道路の空間、公園、河川敷を連動して使っていく必要がある
  • 内田市長:駅前から人が来た時にどこに行っていいかわからない
  • 内田市長:人道橋を渡った時に拠点ポイントを作りたい、ここを拠点に岡崎市内を回遊する場所にしたい
  • 内田市長:レンタサイクルについて、市内に乗り捨てできる場所を作って、どこからでも乗って移動できるプランを考えている
  • 藤村さん:もともとはインフラの再投資整備から話がはじまっているが、それが都市のあり方、商業のあり方、働き方、領域を横断するプロジェクトに育ってきた
  • 藤村さん:5年間のプロジェクトの2年目が終わった、あと3年の中でエリアを使いこなすプレイヤーの具体的な数字が見えてきた
  • 藤村さん:議論の中で話題に上がったリブラや太陽の城跡地で展開すると良いのではないか

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yamada takuo

有限会社アップルップル デザイナー

カメラと自転車と本屋が好きです。愛知県岡崎市在住。