i.schoolのFuture of Japan InnovationにZibaの濱口さんの話を聞きに行って来ました

2月1日にi.schoolのFuture of Japan Innovation-2014年冬のシンポジウム 2014.2.1.にアメリカのイノベーションファームZibaの濱口秀司さんの話を聞きに行って来ました。濱口さんの事をはじめて知ったのは、たしかこのブログだったと思うのですが、興味を引かれたのが、イノベーションについてやり方があると断言しているところでした。WORKSIGHTの講演のビデオが分かりやすいと思います。

講演の冒頭で、今回新しい内容が少ないということを言われていて、今年からご自身の会社を立ち上げていろいろ取り組んでいるため、来年にはいろいろと新しい内容が話せそうと言われていました。ブレーンの3月号によると、「monogoto」という会社のようでした。楽しみです。

濱口さんは研究者ではなくてプレイヤーなので、どの話も説得力があって引き込まれました。その中でもぐっと来たのは「重要なことはできると思っているか」「信じていると信じてないとでは全然違う」と言われていたことや、悪魔のチャートのところで初日からアイデアを毎日考えて夕方には答えを出すと言われていたこと、身の引き締まる思いでした。パネルディスカッションの際に、別の方がコメントされているときに嬉しそうにノートに何かの絵を書かれていて、その後にホワイトボードにダイアグラムを書かれている姿が印象的でした。

以下、メモ。

招待講演:濱口さん

  • テーマはイノベーション
  • すばらしい未来がある、原理原則に従って突っ走ればいい

企業活動について

  • 企業活動はイノベーション、社内マーケティング、社外マーケティングがある
  • イノベーションを考えるフェーズ、社内でドライブするフェーズがあって、最後にラウンチする

制約理論

  • ボトルネックの手前に大量のリソースをかける、そのプロセスの後のスピードを上げる
  • イノベーション、社内マーケティング、社外マーケティングの場合のボトルネックは、イノベーション
  • 最初のイノベーションのところに山ほどリソースを投入して、思いついたらスピードをもって説得する

イノベーションをどう考えるか

  • プロセスはないがプロトコルはある

そもそもイノベーションとは?

  • イノベーションは定義できないが、テストしてイノベーティブかどうかはチェックできる

イノベーションであるかは3つ

  1. 見たこと、聞いたことがない
  2. 実現可能である
  3. 議論を生む(反対/賛成)

見たこと・聞いたことがない

  • 見たこと・効いたことは、脳みそが言っている
  • 脳みそは先入観が働く、バイアスが働く
  • バイアスに対抗するアイデアはみたこと聞いたことがない
  • 見たこと聞いたことがないので、議論を生む

Break the bias

  • バイアスを壊せ

バイアスとは?

  • 生活できるのはバイアスがあるから
  • タギングバイアスを使っているので、少ないCPUで処理できる
  • 効率化を助ける
  • バイアスは効率化できるので重要
  • フレームワークもバイアス
  • バイアスは、効率を助けるプラス面と変革を妨げるマイナス面がある
  • イノベーションを起こすにはバイアスを壊さないと行けない

invisible Gorilla

  • 83%の放射線医がCTスキャンのゴリラを見逃した
  • 専門家だからこそバイアスの罠にかかる
  • 仕事をやればやるほどバイアスがかかる

構造なきものは大きく破壊できない

  • 目の前に構造さえ作れば構造を壊すことができる

Break the bias

  1. バイアスを視覚化する
  2. パターンを壊す
  3. 強制発想をする(相当強制発想する)

イノベーションを起こす場所

  • B(ビジネス)、T(技術)、C(消費者)
  • 1970年は技術革新の時代
  • 1980年代、DELLはCとBを頑張った、Cカスタマイズできる、Bクレジットカード決済
  • 行ったのはやったのは消費者とビジネスモデル
  • バイアスブレイク、みんながテクノロジーだとおもっていることを崩す
  • 2000年代:アップルはなんでもやってしまっていること
  • この業界はすごい大変
  • 1カ所だけバイアスブレイクしても勝てない
  • すごく複雑なので、技術一発では崩せない
  • BTCを努力目標として全部崩していく

USBフラッシュメモリ、M-Systems社の事例

  • 競合と価格競争になっていたので、何か作りたい
  • 3日間で100+アイデア出し
  • 大きなものはタンジブルなエクスピエリエンスはいらないと言われていた
  • データサイズが大きくなっても、大きなデータを持ち歩ける、体験ができたらどうか?
  • この時点ではまだCのみ
  • いろいろ調べてみたら競合商品があった、しかしそれはドライバーを要求するものだった
  • ドラーバーレスに出来ないか
  • Tが破壊できた
  • 大きなイノベーションで受けいれられない場合は、デチューンが必要
  • コンパクトフラッシュは魅力を伝えるのが難しい商品だった
  • 説明できる会社からOEMで販売した
  • Cだけでは成功しない
  • B、T、Cを軽くなめているから成功した

イノベーションを起こす場所の結論

  • 今日では、B、T、Cを取り組むべき

どうやって説得するか

  • クリエイティビティは、直感と緩いロジックで考える必要がある
  • 企業の人口分布は、ロジックで考える人たちと直感で考える人たちの分布がある
  • ロジックな人と直感の人とでコミュニケーションブレイクダウンが起こっている
  • イノベーティブの高さを1から4に分類すると、1と2は数字で説明できるが、3は大きな方向性はわかるが数字では取り扱われない
  • 4は経営上無視する
  • マネージメント層は1、2が大好き
  • 数字では取り扱えない3をどう説明するか
  • ただし今日のプロトコルを使えば、構造があるのでこれで説明する
  • 世間の動きはこうだが、われわれは構造上ユニークなど

今日のまとめ

  1. 最初が肝心、ボトルネックは発想ステージにある
  2. バイアスを破壊する、アイデアを見ない、アイデアを生み出している背後の思考パターンに注目し、より深いバイアスを壊す
  3. 構造化が鍵、視覚化しないと壊せない
  4. BTC全領域をシフトする、ビジネスモデルは専門家に聞いてパターン化する
  5. 不果実生の合意コストは高い

軸はどうやって選ぶのか?(会場からの質問)

  • 軸は何がいいかわるいか知らない
  • その軸が正しいかどうか問うた時点で、プロセスが止まってしまう
  • 正しいかどうかは関係ない
  • 5時間考えて、1時間強制発想するというのを繰り返す
  • 練習するといい軸が出てくる
  • 軸の傾向がある
  • トレーニングは早い人で半年、長い人でも1年半ぐらいでできるようになってくる

アイデアの選び方について(会場からの質問)

  • 自分自身が面白いと思うか、ユーザーにとって価値があるかどうか
  • 濱口さんはリサーチしない、リサーチはチェックするために使う
  • どのバイアスブレイクでもユーザーニーズにつなげれることができる
  • 経験としては、バイアスをこわして、ニーズにつなげれないのは努力不足
  • 重要なことはできると思っているか
  • 信じていると信じてないとでは全然違う
  • 見たことないものを作らないといけないので、ユーザーにニーズなんて関係ない
  • あると信じると作れる
  • 普通からするとかなりおかしい
  • 見たことないものを作らないといけないので、ユーザーにニーズなんて関係ない

パネルディスカッション

日本からイノベーションが生まれない原因

  • イノベーティブなアイデアはプロトコルがあって作れるはず、組織の壁をがんばって突き抜ける、それでもうまく行かない原因はおそらく3つぐらいある
  1. フレーム(日本人のフレームは小さい)
  2. 日本にローカライズしすぎている(海外で流用できない)
  3. オリジナリティを認める文化がない(これが深い問題、日本は同じ種類の商品がでてくる)
  • いよいよグローバルに出て行くときに体力を失っている
  • 解決するには?
  1. プロトコルを持つ
  2. 組織内でイノベーションを通す仕組みを作る
  3. フレームは大きく考える
  4. ローカライズはできれば最初英語で、もしくは大成功の前に出て行く
  5. オリジナリティを尊重する文化を育てるのは時間がかかる、逆に言うと我々1人1人が真似しない、人がやったことと同じものを作らない

ミドルクラスのイノベーション人材がキーポイント

  • ミドルクラスがキーポイント
  • ヤング、シニア、ミドルクラスがいて、ヤングからシニアに向かってナレッジは増えるがバイアスがかかる
  • フレキシビリティはヤングの方がフレキシブル
  • バイアスを壊すにはナレッジもフレキシビリティも両方ハイエンドに必要
  • 一番近いのはミドルクラス、成功するケースはチームにミドルクラスがいることが多い

組織とイノベーションついて

  • 組織でイノベーションを起こすのはトップダウンかボトムアップ
  • ボトムアップを鍛えるのは、i.schoolの役割
  • i.schoolはイノベーションをどうやって設計したらいいのかはノウハウはたまっていると思う
  • しかし企業では発想をコンセプトレベルでは物事が動かない
  • コンセプト、実現する戦略、一生懸命ディシジョンをして、それでエクスキューションをする
  • イノベーションのコンセプトとのつなぎを継ぎ考えないといけない
  • ただし成功体験をすることで組織が変わることも色々な企業で経験した
  • 死にものぐるいでアウトプットする
  • ミドルクラスは方法論、ツールをやっていかないといけない

プロトタイプについて

  • プロトタイプをツール化しないといけない
  • プロトタイプを作るのは3つのことをやらないといけない
  1. ファンクショナルプロトタイプ(動くことを実証する、ただしそれは動けばよいというもの)
  2. デザインプロトタイプ(動かなくてもいいので、見た目や重さを感じられるもの、モックアップ)
  3. コンテキスチャルプロトタイプ or ストーリープロトタイプ(文脈を証明する、カタログやテレビコマーシャル、マニュアルのプロトタイプを作る)
  • 1と2を混ぜてやると軽度の機能しか動かないしUIも作りきれないから両方とも中途半端なモノになってしまう
  • 1と2は切り離す

不確実性のリスクを制御するテクニック

  • 2つのルールを使うと制御できる
  • 投資の細分化とストップルールをクレバリーにやる
  • これができたら次、これができたら次とやって、この情報が入ったらストップとする
  • 投資の細分化とストップルールをクレバーに行えば、トータルのリスクを小さくすることができる
  • 投資をストップルールなし、一発でやると怖い
  • 知らないで経営者と交渉しても、そんなのできないと一言で終わってしまう

プロトタイプの目的は何かを考えた方がいい

  • 不確実性の高いものはプロトタイプを経営者に見せた方がいい
  • 数字では判断できない、プロトタイプを見た瞬間に欲しいと思わせれるかもしれない
  • プロトタイプをユーザーに見せることで反応を見る
  • 数字が無い中でいかに説得するか

規模のジレンマについて(会場からの質問)

  • 企業に勤めているときに、会社の風土を換えた時があって、スイッチングになった事業は売り上げベースでは大きくないが、ものすごいプロモーションをした
  • ポイントはチームが必要、チームは5人いたら十分、会社の規模は関係ない
  • 中堅の経験のあるマネージャークラスがやると、社長はほとんど止めれない、止めれる時は5人のうちにだれかパッションが無い人がいるとき
  • もちろん売り上げが取れるといいが、狙うとできないこともある
  • 組織の中でどう動くかのテクニックがある
  • ボトムアップをしながら、上も巻き込んで行う
  • イノベーションを組織としてどうトライするかは課題だと考えて今取り組んでいるので、1年後には具体的な方法論が話ができそう

タイミングについて(会場からの質問)

  • 事業なので時間内に少しでもベターなアイデアを出さないといけない
  • いつ考えていつやめるのかのチャート
  • プロジェクトがあって、情報が必要とされるが
  • 情報がないと考え始めてはいけないと誰もが思っている悪魔のチャート
  • 世界中でプレゼンの1週間2週間前から考えるの法則が起きている
  • 後半で情報量が増えているので、複雑なことを処理しないと行けない
  • 複雑なのでバイアスを使う、フレームワークで考えようとする
  • 分かっているフレームワークから出されたものがイノベーションであるはずが無い
  • このタイミングからイノベーションを生み出すものはほとんどない
  • どうすればいいか、初日から考える
  • 情報が少ない状態で組み立ててバイアスを考えてアイデアを考える
  • 初日の夕方には単純でもいいので構造を考えて、バイアスを壊すアイデアを考えるということを毎日やる
  • すごく根源的なことに対してバイアスを壊すと大きなイノベーションが起こる

参考:


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yamada takuo

有限会社アップルップル デザイナー

カメラと自転車と本屋が好きです。愛知県岡崎市在住。