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プロダクトとサービスの融合による経験デザインに参加して

HCD-Net セミナーin 名古屋 2013(第3回)黒須先生の「プロダクトとサービスの融合による経験デザイン」に参加しました。黒須先生のお話ははじめてだったのですが、話し始めて5分もしないうちにこの先生は知識量がとてつもない感じがビンビン伝わってきました。
講義は
- ユーザビリティからUXへ
- プロダクトとサービス
- 経験デザイン
という流れで、最後にワークショップがありました。
「ユーザビリティからUXへ」のセクションでは、ユーザビリティの規格がそれぞれどのように違うのかや、UXについて主観的側面へ関心を持っていた人の話、ユーザビリティとUXの違いなど丁寧に説明していただきました。違いの中で興味深かったのは、メンタルプロセスの項目で、ユーザビリティは知覚のみに対して、UXは知覚と統覚というものがあり、これは例えば黒い雲があったら、知覚だけだったら、ただ黒い雲なのだが、統覚があるとこの後不吉なことがおこるのではないかという感覚に変わるという説明をしていただきました。他にも時間的位置では、ユーザビリティは(基本的に)使用中という点なのに対して、UXは使用前、使用中、使用後の線であるという話も理解しやすかったです。
「プロダクトとサービス」のセクションでは、人間中心設計はプロダクト重視だったところから話が始まり、サービスの定義からサービスの品質モデルを紹介していただきました。特に『製品に関するUXの時間相』と『サービスに関するUXの時間相』はHCDライブラリー 第1巻人間中心設計の基礎の第4章(p62、63)にも記載されているので、製品とサービスのUXの違いを理解する上でしっかりと見ておきたいと思いました。
「経験デザイン」のセクションでは、経験の基本3軸として、品質特性(ユーザビリティ、信頼性、安全性など)、感性特性(満足感、楽しさ、心地よさなど)の他に、意味性(目的適合性、ありがたさ、欲しかった)というものも大事ではないかということを話されていました。またUXが良いはずと思っても受け止め方は人によって様々と、経験デザインでデザインができることとできないこと、良い経験をデザインするポイントを紹介していただきました。
最後に個人作業のワークショップで、UXカーブとエクスペリエンス・フィードバック評価法の話から、製品利用(スマホの利用経験)、サービス利用(つい最近のレストランや食堂での経験)という2つの課題でグラフを描きました。私は特に海外でのレストラン経験が2日に分けて激しく上下している事例があったので、それをグラフで描いてみました。
HCDライブラリー 第1巻人間中心設計の基礎には、本日お聞きした内容が掲載されていたので、しっかりと復習をしたいと思います。
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