HCD-Net セミナーin 名古屋 2012(第2回)に参加して

5月26日(土)に愛知工業大学の自由ヶ丘キャンパスでHCD-Net セミナーin 名古屋に参加してきました。今回のHCD-nNetセミナーin名古屋はオブザベーションがテーマでした。

HCD概論2(オブザベーション)小林先生

小林先生の講義では、オブザベーションの概要と実際のラボや機器などを紹介していただきました。 オブザベーションはユーザビリティ評価手法の1つ。一般的にユーザーテストと呼んでいるものだそうです。

オブザベーション/観察法

  • 特定の被験者に製品を操作してもらって、それを観察する場合には一般的に「ユーザーテスト法」ともいう
  • フィールドで民俗学調査のために観察を行うものは「エスノグラフィ」インタビューやビデオ撮影などの手法も使う

観察法(シンク・アラウンド方式)

ユーザビリティラボで一般的に使うユーザ・テスト方式としては、思っていることを口に出してもらいながら、テスト対象製品を操作してもらう方法と、回顧型シンクアラウンド方式というタスクを終了してからユーザーに尋ねて、ユーザーは操作を思い出しながら答える2つの方式があるそうです。声に出してもらいながら行う方法は認知負荷はかかるが、思い出してもらうよりも短時間にできるメリットがあるそうです。今回のワークショップでも声に出す方法で行いました。注意としては、視線追跡方式とシンク・アラウンド方式の声を出してもらう方式を併用してはいけないとのこと。声を出すと目が動き回るからだそうです。

「ワークショップ『カップ焼きそばのオブザベーション』」浅野先生

『エスノグラフィックなアプリーチからユーザーに新しい経験(UX)を与えるような斬新なパッケージを提案する』というお題でワークショップを行いました。

カップ焼きそばを作って食べるところを観察

チーム内から3名、それぞれカップ焼きそばを食べました。チームの役割分担としては、発話を促すモデレーターが1名、観察する人が2名で行いました。iPadなど動画を撮影できる機器も用意したのですが、時間的にビデオを見直す時間とそれを担当する人を割けなかったので、ビデオ撮影は行いませんでした。観察者はオブザベーションシートというものに、作業ステップと発話をメモして行くのですが、ちょっと失敗したのは、観察者の役割分担として、明確に作業ステップと発話をどちらがどちらをメモるか決めていなかったので、両者とも作業ステップをメモってて発話が取れていないところがありました。反省点です。カップ焼きそばを食べるところを観察した後、半構造化インタビューであらかじめ枠組みを決めておいたインタビューをしつつ、モデレーターがインタビューも行ったのですが、気になったポイントなどを掘り下げて質問したりしました。

カードソートとラダーリング、UXマップ

3名の観察シートが出来てきた段階で、模造紙2枚分に上から作業ステップ、UXマップ、改善案のヒント、問題点、様々な外的事象を写真のように縦でエリア分けし、まずインタビューで取れて外的事象と作業ステップをポストイットで貼って行きました。外的事象のポストイットには、できるだけ具体的なその1枚を見ただけで状況がわかるように内容を書くように注意しました。

以前ラダーリングをワークショップで行った際には、ユーザの事象からユーザの行為目標、ユーザの本質的要求価値という構造でラダーリングを行ったのですが、今回は、問題点と改善案のヒントというアップの仕方で、ラダーリングはもっと上手く使えるようになりたいです。

写真では分かりにくいですが、改善案のヒントの上にUXマップというモノを描画しました。これは、時間経過とともに変化した観察者のテンション(今回は本人が思い出して書いてます)をグラフ化したものです。これによりステップのどのあたりでテンションが下がっているのかがわかり、それは何が原因かが分かるとのことです。今回は湯切りが改善ポイントであることが分かりました。そこで画期的な湯切りを可能にするパッケージを考えました。

ブレストは壁に向かってやると良い

浅野先生の話でもあったのですが、壁にポストイットを貼りながらアイデア出しをする方法は、あらためていい方法だなと思いました。アイデア出しを壁に向かってポストイットを貼るスタイルで行うと、ポストイットを壁に貼った瞬間に自分のアイデアから共通のアイデアになって、さらにそのアイデアを別の人が発展させて行くことも自然と行われるし、普段の業務でも取り入れたいなぁと思います。

プラグマティック・ペルソナと4コマ漫画、ポスターセッション

ペルソナとそのペルソナが使うシーンを表した4コマ漫画を最終的なアウトプットに落とし込みました。ペルソナは、プラグマティック・ペルソナというもので行いました。プラグマティック・ペルソナは、顔、名前、About(その人について)、Context(その人がサービスを利用するにいたった経緯)、Implication(サービスを使うことによって得られるUX)だけを記述するアジャイル開発で用いられる簡略的なペルソナだそうです。

パッケージのデザインをするのではなく、利用シーンを4コマ漫画を書くというのも今回のワークショップで興味深かった点です。利用シーンを描くことで、変に絵の上手下手に左右されず、よりコンセプトが伝わるように感じました。

時間の都合で、今回はチーム内で交代しながら、一斉にポスターセッションという形でプレゼンを行いまいした。オブザベーションからカードソート、ペルソナ、4コマ、ポスターセッションと濃い内容でした。


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yamada takuo

有限会社アップルップル デザイナー

カメラと自転車と本屋が好きです。愛知県岡崎市在住。