WEBサイト制作者のための HCD(人間中心設計)の理解 in 名古屋(プロトタイピング)

全5回の最終回となりました、WEBサイト制作者のための HCD(人間中心設計)の理解 in 名古屋(プロトタイピング)。中級編として10月に開催される予定もありますが、一応、全5回のスケジュールは今回で最後となりました。今回は、『プロトタイピング』というテーマで、講義、ワークショップを行っていただきました。

セミナーの様子は、講師の浅野先生のブログ、情報デザイン研究室からも見る事ができます。

講義

簡易プロトタイピングによるデザインシミュレーション〜ペーパープロトタイピングとアクティングアウト〜

プロトタイプとは、デザイナーがデザイン実装を行う前に、コンセプトをできるだけ実物に近い形で模型や紙にインターフェイスなどを書きおこしたものをつくることで、それを使って、インタラクションのユーザーテストを行う事をプロトタイピングという、そうすることによって、そのデザインが持つ問題点や使いにくさを発見し早期に修正を行う事ができるとのこと。デザイナーは頭で考えがちなので、実際にプロトタイプを作ってテストを行う事で、思いもよらない問題点を見つける事ができる。

浅野先生の話では、プロジェクトが始まったら、はじめの1日、2日で徹夜してプロトタイプを作ってしまうとの事で、この辺の話は、浅野先生のブログにも書かれている。

要するに、前者の終盤追い込み型の人は、1ヶ月間考えているといっても、その考えを外化したモデルが無いから、実は考えられてはいないのです。逆に後者の初期逃げ切り型の人は、プロトタイプがあるから、いくらでも評価と修正を繰り返せるのです。 ここで結論。デザインは、直せば直しただけ必ず良くなる。その時間を計画的に作れば、君もデザインの達人だ♪

良いデザインをするには | 情報デザイン研究室

ダーティープロトタイプ

IDEOというデザインファイームでは、このプロトタイプをあえてキレイに作らないという考え方がある事を教えていただきました。出来るだけラフに作った方が、デザインの本質が分かり易いとのことです。(ラフと雑は違うとも)

西村佳哲さんの『自分の仕事を作る』の中でIDEOのボイルさんは以下のように言われています。

大切なのは、本当の問題を発見していく能力です。表面的に目につく問題点は、より根本的な問題が引き起こしている現象のひとつにすぎないことが多い。では、問題を深くアプローチしていく方法はなんでしょうか。それは、机の上で頭を捻って問題を予測することではない。早い段階から、可能な限り具体的にテストし、トライ&エラーを重ねていくこと。これに尽きます。

自分の仕事をつくる (ちくま文庫) IDEOのボイルさんをパロアルトに訪ねる より

参考:

アクティングアウト - コトのスケッチ

現場にプロトタイプを持ち込んで、被験者が業務プロセスに則って寸劇を行い、周囲の開発メンバーの気付きを促す。ペーパープロトタイピングには、開発者自身が気づくための発話思考法と、オーディエンスから意見をもらうためのアクティングアウトがある。

コトのスケッチ

対象を観察する際に、スケッチを行うことを通じてより奥深く理解しようとする。スケッチは対象によって手法が異なる。この場合のスケッチは、イラストがうまい下手の話ではなく、いかに対象を観察するか、そのため、手でスケッチを書くほか、写真やビデオを使うことも効果的。

理解の対象表現手法
モノのスケッチプロトタイプ
概念のスケッチダイアグラム
コトのスケッチアクティングアウト

アクティングアウトの種類

  1. 人工物の振る舞い
  2. ユーザー再現
  3. シミュレーション
  4. プレゼンテーション

があるそうです。詳しくは浅野先生のブログに書かれています。

ワークショップ

第3回、4回で対象としてきた、名古屋市役所のサイトのペーパープロトタイプの作成および、ユーザーテストであるペーパープロトタイピングを行いました。

毎回話に上がりますが、ワークショップはまず体験するということが重要で、クオリティは求めない。今回僕たちのチームはそれまで名古屋市役所のサイトと対象サイトは同じだが、別々だったチームが1つになってワークショップを行いました。ワークショップは毎回コミュニケーション能力が求められるし、普段使わない頭をフル回転させるので、あっという間に時間が過ぎますし、疲れました〜。

制作したペーパープロトタイプは以下のような感じです。変更する可能性がある個所は、ポストイットを使ってラベリングなど変更できるようにするとよいとの事です。

ワークショップを通じて、ペーパープロトタイプの作成やその検証方法、どういった場面で有効なのかなど、経験することができました。今回で5回シリーズは最終回となってしまいましたが、本当にこのHCDのセミナーはいいセミナーでした。普段ウェブサイト制作を行っているからこそ、目的意識を高くもって、参加する事ができました。非常に勉強になりましたし、共に学んだ人達にはいい刺激をもらいました。浅野先生をはじめ、スタッフの方々本当にありがとうございました。


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yamada takuo

有限会社アップルップル デザイナー

カメラと自転車と本屋が好きです。愛知県岡崎市在住。