IDEOの野々村さんとネットイヤーグループの石黒さんの話を聞いてきました、石黒さんの自分の棚卸しの話がよかったです

2月20日に名古屋商科大学ビジネススクールで、IDEO Tokyoの野々村さんネットイヤーグループCEOの石黒さんの話を聞いてきました。学び直しをテーマに第1部では野々村さんや石黒さんのキャリアとビジネススクールでの学びの話、第2部ではパネルディスカッションがありました。


IDEO Tokyoの野々村さん

IDEO Tokyoの野々村さん

野々村さんは大学を卒業後、トヨタに就職し海外事業や新規事業を経験しながらもっと変化を起こす力がほしいとビジネススクールへの進学を決意し、ハーバードビジネススクールが奨学金の制度が充実していることからエントリーされたとのこと。HBSに行って良かったこととしていろいろ上げられていた中で特に仲間の存在の話が印象的でした。HBSでは「日本を変えたい」と言ったら周りはやれやれと自分を鼓舞してくれて、社外のそういった仲間の存在はとても大きいと言われていました。日本ではそんなことを言ってもあまり相手にしてもらえなかったそうです。HBSではSummer Dayという詩の「Tell me, what is it you plan to do with your one wild and precious life?/教えてください、一度きりの自由で貴重な人生をあなたはどう生きるつもりですか?」という問を毎日毎日繰り返し聞かれるそうです。HBSを修了後MBAの組織に行くかカオスに進むかの選択の中で、IDEO(カオス)に進まれたそうです。

IDEOの事例を幾つか見せてもらいました。リラックスした機内体験ができるニュージーランド航空の事例、おしりが痛くならないBROOKSとうサドルメーカーの事例、マニュキュアの事例、PillPackという薬の飲み忘れを防止するサービスなどなど、ユーザー体験、サービスデザイン、プロダクトデザイン、ブランド戦略、スペースデザインなど、いろいろなタイプの広い意味でのデザインをやられているそうです。IDEO Tokyoは設立されるときに「ビジネス系」や「クリエイティブ系」という垣根がない組織を日本でも創ることがミッションとしてあったようで、Tokyoオフィスも様々なバックグラウンドの人が働いているそうです。

他にもペルーでの1から学校を創るプロジェクトや未来の車社会を考えるプロジェクトなども見せていただいたのですが、特に気になったのがIDEOが考えるT型人間という話で、縦軸が専門性なのに対して横軸は好奇心という話がよかったです。心のなかで好奇心なら僕にもあると思いました。学び直しという意味ではラーニングだけじゃなく、時にはアンラーニングも必要で、リバースメンバーシップというシニア層の人が25歳ぐらいの若い人をメンターにする話とかも興味深かったです。学ぶためには自分でやらない理由を作らないようにすることがコツとして言われていました。


ネットイヤーグループCEOの石黒さん

ネットイヤーグループCEOの石黒さん

一方で、ネットイヤーグループの石黒さんの話もアツかったです。時代がまだ男性中心だったことなどからキャリアのスタートはアルバイト。少しでも扉が開いているとそこにすっと入るのが得意と言われていまいたが、英語が得意でもなかったのに海外で働きたいと思って得意科目英語と書いて海外で働いたり、石黒さんはスタンフォードに(しかも子どもを連れて!?)行かれたのですが、はじめの授業で一言もわからなかったとか。ちょっとぐらいハードルの高いところにジャンプしたほうがいいんですよと飄々と言われていたのがパワフルで印象的でした。ちなみにスタンフォードは学部生よりマスターやドクターの人が多く、働いてからまた来る人のために家族へのサポートなどもしっかりしているそうです。卒業式のお子さんとの写真ステキでした。

石黒さんはIT企業として上場して今もITをしていることをうれしいし誇りに思っているといわれ、高校生の頃には数学も物理も好きだったのに、受験で理系か文系を選択の時に男子たちの輪に腰が引けて、大学は経済学部に進んでしまったことを言われていました。理系でも医学や薬学はまだ女性も多くなってきたが、工学部にはなぜか女性が少ない、さらに上場企業の経営者の女性も同様に少ないというデータも見せていただきまいた。女性の社会進出を阻む問題もいろいろあるかもしれないが、石黒さんは女性の気持ちの中にバリアを作っているのではないか?ということを語られていました。

アメリカの大学を受けるときに、合否の大きな割合を占めるエッセイを書かないといけないのだが、エッセイを書くために自分の棚卸しが必要で、自分が今までなにをしてきて、何が上手くいって、何が失敗したのか。自分を棚卸しをすると自分が本当にやりたいことが見えてきてオススメされていました。誰であれ、自分の好きなことをやるといいし、好きなことだったら得意な可能性も高いし、自分で選択したら失敗しても言い訳できないけど清々しい。既成概念にとらわれることなく自分を見つめなおすと良いという話はとても心に響くものがありました。


yamada takuo

有限会社アップルップル デザイナー

カメラと自転車と本屋が好きです。愛知県岡崎市在住。